本当の省エネルギー

 福島原発事故を契機に、オール電化は省エネの方法ではなく、電力会社の商品であることを再認識しました。オール電化という名の下に、ガスを用いないという条件であれば割安の電気料金プランを提供するという排他的な方法は、広い視点に立てば、省エネルギーという観点から外れることは明確です。

 我々一般消費者が省エネを意識することは多くても、省エネの判断基準は「出費が少ないこと」であることが多いと思われます。これは実生活を考えれば仕方ないとも言え、エネルギー的見地に立った崇高な考えを持つ方は少数派なのかもしれません。そして電気は1社だけから供給され他の選択肢がありません。生活していく上で欠かせないものの1つである電気に選択肢がないのであれば、より公正な視点で料金体系が作られるべきであり、その仕組みが必要であると思っています。それが実現すれば、「出費が少ないこと」が本当の省エネにつながり、消費者にとって分かりやすく自然であると思います。

 この度の震災では、自然の猛威の前に人間が立ちすくむほか無く、自然の畏敬を感じざるを得ません。言葉で表せないほど不幸な出来事でしたが、これを契機に私たち人間は自然と共生していることを再認識し、短期的な「自粛」で終わるのではなく、長期的視点で自分が出来ることを継続することが大切であると思います。そして建築に携わる私に出来ることは、建築時エネルギーの少ない良質な木造建築を推進し、電気・ガスなどエネルギーの適切な利用方法を考え、自然エネルギー利用をベースに、シンプルかつ心豊かに生活できる家を作ることであると考えています。