学びは endless

日本で多く使われる「Jounal」の意味として「専門誌・会報」的なものが多いと思われます。
当サイトの「Journal」は、一般のBlogとは違う位置付けとすることを意図して名付けましたが、Journal の意味の一つである「日誌」寄りな専門記事にしたいとの考えがありました。その中でも、できるだけ一般の方に分かりやすい言葉でお伝えしたいとの気持ちがあります。(こまめに発信するBlogは苦手であることもお伝えします。)

さて今回は日誌的な投稿になりますが、2011年4月より大学院に社会人入学し、仕事よりも勉強・研究にウェイトを置いた2年間を過ごして参りました。入学前の勉強も含めると3年間になります。その過程に成果の一部を Journal に投稿しようかと考えながらも全く時間的余裕が無く、ウェブサイト(ホームページ)は約3年間放置したままでした。

この2年間で可能な限りのことを会得しようと頑張りましたが、勉強すればするほど、自分の知らない世界がどんどん広がり、また更に新たな勉強をしたくなることの繰り返しでした。2013年4月、博士課程に進学し研究を続けることになりましたが、少しずつ整理を行い、実践に活かしていきたいと思っています。

Tokyo-univ.木材のこと、木構造のこと、その他、理論と本質の一部を知ることができました。
世の中ではインターネットで氾濫している情報だけではなく、木材・建材等として販売されているものの中にもグレーゾーンのものがあります。これらを知った上で、「建材メーカーの宣伝をする工務店」になるのではなく、独自の力、そして優秀なブレーンの方々のお力を借りながら地道に木造建築の可能性を追求していきたいと思っております。

法隆寺 日本最古の木造建築

2013年5月のウェブサイト・リニューアルに伴い、旧ウェブサイトにて紹介していた、奈良県・法隆寺に訪れた時のレポートを、このJournalに移設します。(2013年5月6日)

探訪記

法隆寺

2003年3月、初めて奈良県斑鳩の法隆寺を訪れました。
宮大工棟梁・西岡常一氏の著書をもとに、西岡氏の足跡を辿るように法隆寺を堪能しました。
一人、法隆寺の駅に降り立ち、あまりに質素な駅舎に驚きました。駅からは徒歩で法隆寺へ。

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略歴などは法隆寺Webサイト<http://www.horyuji.or.jp/>をご覧頂くして、私が法隆寺を訪れたことの目的は、日本最古の木造建築であること以外に、著名な宮大工である西岡常一・棟梁の著書に書かれている法隆寺の詳細を、この目で確かめたかったからでした。

駅からの道程に、法隆寺Informationセンターがあり、法隆寺をつくり上げる過程や、宮大工棟梁「西岡常一」に関する展示もあり、法隆寺見学前の知識を得るに良い所でした。

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日本最初の世界文化遺産 法隆寺

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▲「中門」 右はアップ写真。金剛力士像は隠れていますが、私が撮影したかったのは、エンタシスの「柱」。

▼「廻廊」飛鳥時代のものという。 梁は虹梁(こうりょう)と言い、虹の一片を切り取ったような美しい形をしているもの。
束は人形束などと言い、棟の荷重を分散し2本の柱に伝えるようにしているとのこと。これは西岡さんの著書を手に取りながら眺めていたのですが、先人の知恵に感心しきりでした。

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▼同じく西岡さんの本に解説がある廻廊の格子。自然の形のままの木材を使っているのか不揃いですが、それがかえって自然さを感じさせます。

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▼下は新しい時代・室町時代につくられたという廻廊。梁も真っ直ぐに製材された木材を用い、太くなっています。そして人形束の中心に垂直の束柱が入っています。右の写真の格子も真四角に均一に作られています。前の飛鳥時代のもとと比較すると面白味に欠けると感じます。

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▼もう一度、飛鳥時代の廻廊。比べると全く違います。 西岡常一氏の著書を読みながら廻廊だけでもかなり楽しめます。
私のように廻廊だけで長時間見ている人は見あたりませんでしたが…。
「虹の一片を切り取ったような美しい形」という言葉を実感。
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▼手前に見えるのが「金堂」

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▼「金堂」 法隆寺のご本尊を安置する殿堂。
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▼そして「五重塔」
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▼支えている「○○の下の力持ち」は遊び心からなのでしょうか。
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▼最初に出てきた「中門」を内側から見る。
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古代ギリシャ・ローマ建築に見られるような美しいふくらみを持ったエンタシスの柱ですが、流石に外部に面する部分は風化が進んでいました。
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▼「夢殿」聖徳太子の一万円札が無くなってから目にする機会が減りました。
八角形の不安定な屋根を天辺の重い宝珠で押さえ込んでいるとのこと。
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虹梁の上に「かえるまた」が組まれて桁や棟木を受けている。天平の建築。この時分の建築は天井がないため屋根裏が天井。そのため、タル木が棟まで見える訳

とのこと。
この解説を読み、時代は輪廻していると感じました。

▼西岡棟梁が作った鎌倉様式の手水舎(ちょうずしゃ)
※写真にある小さな文字は、忘れないように撮影当時書き入れたもの。6年が経過してから、この探訪録をつくれるものこのお陰です。

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「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」

旅の楽しみの一つは、その場所特有の「流れている時間」を感じることです。
ここを訪れて、ゆったりとした時間が流れていることを感じ入りました。
正岡子規の有名な句は、このゆったりとした時間の流れ故に生まれたのだろうと思いました。

▼法隆寺を西大門から出て、西岡棟梁の著書に出てくる西里集落の町並みを歩きました。
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お勧めの本:『木に学べ』 著者:西岡常一

book_kinimanabe法隆寺を訪れる際、新幹線でこの本を読みました。
記憶が新たな内に訪れる、この方法は最良であると実感。
この本は、法隆寺を訪れる数年前に購入し、ずっと本棚で眠っていました。

もし建築にもご興味があるのでしたら、法隆寺を訪れる前に、この本を読まれることをお薦めします。
「廻廊」だけでも沢山の時間を楽しむことが出来ます。

いくつかの神社仏閣に訪れていますが、ここ法隆寺は大変好きです。
ゆったりと流れる時間を味わいに、また訪れたいと思っています。

柴 好弘

ヨドコウ迎賓館(旧・山邑邸) フランク・ロイド・ライト設計

2013年5月のウェブサイト・リニューアルに伴い、旧ウェブサイトにて紹介していた、ヨドコウ迎賓館(旧・山邑邸、神戸市)に訪れた時のレポートを、このJournalに移設します。(2013年5月6日)

探訪記

ヨドコウ迎賓館(旧・山邑邸) フランク・ロイド・ライト設計 ( Frank Lloyd Wright )

2007年4月、初めての神戸へ街並み見学に行きました。
まず最初に、高級住宅地として聞いていた六麓荘を訪れました。
街並みの写真撮影をする予定でしたが、想像を超える豪邸群に圧倒され、写真撮影する気持ちが起きませんでした。

六麓荘を脳裏に焼き付けた後、次の目的地、ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸・重要文化財)へ向かいました。兵庫県芦屋市の小高い丘の上に建っています。


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略歴

フランク・ロイド・ライトにより設計されたこの建物は、1923年に着工し、1924年に竣工(完成)。
灘の酒造家・八代目 山邑(やまむら)太左衛門の別邸として計画された。
1974年には国の重要文化財に指定され、1989年からは一般公開。

詳しい来歴は、ヨドコウ迎賓館の紹介サイトをご覧頂くとして、1995年の阪神淡路震災により一部破損。
私が見学に行った時は、震災被害の修理が完了した後でした。
日本で数少ないライトの作品。
急な坂道の途中にこの建物はありました。

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残念ながら、室内は写真撮影禁止。
斜面に建つこの建物は、鉄筋コンクリート造4階建て。迷路のように入り組んだ部屋構成になっています。

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室内撮影が許可されてないので、せめて屋上からの眺めを。

室内の作りは、非常に緻密で、これを施工するのにどれほどの手間がかかったのであろうかと心配になるほど。日本の風土・気候を考慮し、通風計画を考えられ開口部には緻密な工夫がされていました。

屋上から軒先回りを見ましたが、大谷石が風化して劣化が進んでいました。
建築設計者の中には、現在でも好んで大谷石を選択する方がいますが、経年変化を知る私たちは選択することはありません。
この建物では、材料の少ない昔だからこそ、大谷石を選択したのかもしれません。

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幾何学模様、デザイン、これらは決してまねの出来ることではなく、あらためて素晴らしいと感じました。
この建物は、エントランス回りの外観が一番美しく感じました。
離れたところから見れば、より良いポイントがあったのかもしれません。

参考サイト: ヨドコウ迎賓館 www.yodoko.co.jp/geihinkan/