事務所は建築後13年を経過したため、照明器具を1つ追加し、1つ交換。このため、現在3種類の照明器具が並ぶこととなり、丁度よい実験環境になっています。
古いものから順に、
(1) 蛍光灯40W(蛍光灯ランプ FLR40S)
(2) 蛍光灯、消費電力60W(蛍光灯ランプFHF63型)、ランプ定格全光束:6560 lm
(3) LEDラインモジュール、消費電力30W、ランプ定格光束2260 lm(ルーメン)
(1) の蛍光灯照明器具は13年経過し、蛍光灯ランプを1度交換していますが光度低下が著しいと思われるため、今回の計測からは除外。
(2)蛍光灯ランプFHF63型と、(3)LEDラインモジュールの2つを比較してみます。
各照明器具のメーカー公表の配光(luminous intensity distribution)データは以下の通り。
一般に照明器具は、使用年月の経過とともに明るさが落ち、照度を一定に保つことが出来ない性質があります。これ補正するため、(2)の照明器具には「初期照度補正」が行われ使い始めの状態は、明るさを少し落とす機能がついています。このため「ランプ定格全光束:6560 lm」未満の光束であるはずです。これを念頭に置いて明るさ「照度」の計測行います。
照明器具の取り付け位置が違うため、公正な計測数値とはいえませんが、作業机での照度はほぼ同じでした。照明器具から照度計測点までの距離は約2m。各照度は、(2)=289 lx(ルクス)、(3)=306 lx でした。
(3)のLED照明は、ほぼ配光データの数値どおりの値です。
明るさの数値(lx)では、(3)LEDの方が消費電力が少ないこともあり勝っています。しかし、私の作業環境としては(2)の光が捨てがたく、その理由として、配光データが示すとおり、(2)の「管軸に垂直」方向では左右に約80度、光が広がる特性があるため、部屋全体の明るさが得られます。また、(3) LEDラインモジュールは、個々のLEDが点として光る「点光源」の集合体のため、輪郭を持った多数の影を落とすことがあり、作業環境によっては不快感を覚えると思われます。
上の写真は、撮影の結果、影が誇張されて写ってしまい、実際にはこれほどの影を感じることは少ないです。
このような影が映りにくいものとして、LEDチューブモジュールタイプ照明などがありますが、比較検討した商品では、ラインモジュールに比べて照度が1/3しか得られず、本来の目的を達成できないことから、点光源の集合体であるラインモジュールを選択しました。
蛍光灯と、LEDラインモジュールの価格を含めた総合比較は、
蛍光灯(FHF63型): 定価16,000円位、消費電力60W(57W)、上記条件での測定照度289lx
LEDラインモジュール: 定価22,500円、消費電力30W、上記条件での測定照度306lx
今回の用途では、(1)の蛍光灯(FLR40S)を (3)のLEDに交換した価値がありました。
なお、(2)の蛍光灯(FHF63型)と (3)のLEDは取り付け位置が違うため、両者ともに使い続けます。
明るさ以外のデータ計測も行いましたが、それは後日アップロードします。