2013年5月のウェブサイト・リニューアルに伴い、旧ウェブサイトにて紹介していた、岐阜県・美濃市に訪れた時のレポートを、このJournalに移設します。(2013年5月6日)
探訪記
岐阜県美濃市 うだつと和紙の町 伝統的建造物群保存地区【商家町】
2006年3月25日。出張の帰り道に、岐阜県美濃市に立ち寄りました。
美濃市は、「和紙」と「うだつの町」で知られています。
■歴史
(以下、美濃市観光協会ウェブサイトより引用)
慶長5年(1600年)関ヶ原合戦の功により徳川家康からこの地を拝領した金森長近は、長良川畔に小倉山城を築城、慶長11年(1606年)頃に現在の町割りが完成。
長近は、長良川に「上有知湊」を開き経済の発展を目指した。
没後の元和元年(1615年)に尾張藩領となるも、「上有知湊」は船運による物資集散の拠点として、
和紙を中心とした経済活動が進み、商業都市として繁栄。
明治44年(1911年)、それまでの地名「上有知(こうずち)町」は、美濃紙にちなんで「美濃町」と改名し現在に至る。
(引用おわり)
お店の佇まい。 町並みは、しっとりと落ち着いた印象を受けました。
山田家住宅
この家は、1721年に建てられた町医者の家。以降、代々医者が続いたそうです。
市では、町並みの活性化を図るため、空き家となっていたこの家を借り受け、診察室や待合室をギャラリーとして改装した 。
改装時に、柱材などはキレイに磨かれたのでしょうけど、300年近く経過した建物とは思えません。
行く先々で、ひな人形が飾られていました 。
ここでは、4月上旬まで飾られるとか。
国重要文化財 小坂家住宅
印象深かった建物の一つです。
安永元年(1772年)小坂家は代々つくり酒屋を営み、母屋から後ろに続く酒蔵まで総て江戸時代の貴重な建築。
むくり屋根の町家は珍しく、上方の影響を受けたもの。
【特徴】
うだつ造、むくり屋根、桁行24メートル、梁間16メートル、二階建、切妻造段違北面庇付棧瓦葺
暖簾(のれん)をくぐり中に入ると予想しなかった空間に感動
突き当たりに見えるのが酒蔵
じっくりと内部を見た後、外に出てあらためて外観を見ます。
屋根がカーブしているのが分かると思いますが、これが「むくり屋根」。
ぶら下がっている「杉玉」は、杉の葉を束ねて丸く刈った門飾りで、新酒が出来たことを知らせるためだとか。ここでは酒林(さかばやし)とも言うそうです。建物見学に夢中になってましたが、お酒を買って帰れば良かったと少し後悔。
外に出てみると、丁度タイミング良く補修工事をしていました 。
この屋根の出っ張りが「うだつ」
この2軒で競い合っているように見えるのは私だけでしょうか。商家であるが故かもしれませんね。
うだつ(卯建)とは、火事の延焼を防ぐための防火壁で、屋根の両端に付く防火壁などのこと。
「うだつ」は、防火壁としての役割から、時代と共に装飾的な意味合いが出てきたようです。
「うだつが上がらない」という言葉の語源は、ここから来ているという説もあるようですが、正確なことは分かりません。
もう一つ目的地がありましたが、土曜日のため残念ながら休業で実現しませんでした。
美濃を訪れた結果、大分前に行った長野県楢川村奈良井宿を思い出します。
奈良井宿に比べると、美濃町はあか抜けていて時代に取り残された感じを受けませんでした。
参考サイト: 美濃市観光協会 www.minokanko.com