2020年11月、いわさきちひろ黒姫山荘に訪れました。長野県北部黒姫高原にあります。
旅の目的は、我が子が論文作成のための資料を得るために黒姫童話館へ車で連れて行くことでした。しかしここに隣接して、いわさきちひろ黒姫山荘があることを知り、訪れる楽しみが増しました。
当photo blog:安曇野ちひろ美術館にて、この黒姫山荘を復元した建物外観を見ておりましたが、このような出会いになると思いませんでした。そして建物に入ると、また新たな出会いが待っておりました。
1階は居室3室が繋がるコンパクトな空間ですが、とても心地よく感じました。
これで足りる これで十分 そう感じました。
ここは山荘のため一般住宅と要素は少し異なりますが、必要十分でコンパクト、そして心地よい室内空間の設計は難しいです。吉村順三設計・軽井沢の山荘を想起していると、この山荘の設計者はお会いしたことがある方であることを知ります。
設計者を知らずに訪問していたわけです。奥村まことさん設計でした。夫の建築家・奥村昭雄氏は、OMソーラーの考案者でもあります。1998年頃に奥村昭雄さん設計の建物を、SHIBA建築工房にて施工する相談をいただき、奥村昭雄さんが私達の事務所にお越し頂いたことを思い出します。
また別の日に、私が奥村先生方の事務所に訪れたとき、奥村まことさんに初めてお目にかかりました。まことさんの最初の一言は「柴さんも一緒に蕎麦を食べるかい」でした。約束時間が昼時のため、皆さんで遅めの昼食を取られているところでした。奥村まことさんは飾らない率直なお方だなと感じました。
あのときお腹はすいてませんでしたが、一緒に蕎麦を少し頂いていれば、より楽しいお話ができたのかもと、私には珍しく空想しました。これは、つい先ほどモモ/ミヒャエル・エンデ著を読んだからかもしれません。