木地師の仕事を拝見する機会を、2015年3月に得ました。
場所は長野県南木曽町。もう雪は降らないであろうと思った3月中頃に、地元の人々も驚く大雪に見舞われました。
木地師とは、木材をろくろ(轆轤)に取り付けて鉋(かんな)で削り、お椀やお盆などの形に加工・成形する職人さんをいいます。
選び出された木材は、長期間に渡り天井上などでゆっくりと乾燥させた上で、加工作業に移ります。
乾燥させた木材を、ろくろに取り付けて加工を行います。
木材を加工後、時間の経過と共に木材が変形するため、再び加工を行うとのこと。
木材は、木の根元から先端へ伸びる方向、木の丸太の断面を見たとき中心から樹皮へ向かう半径方向、同じく丸太の断面の年輪の接線方向、以上3方向の木材の乾燥収縮率が異なるため、ろくろで立体に削り出したとき、歪むように変形するものと考えられます。
写真にはありませんが、木地師のお母様が作られたお料理がとても美味しく感激しました。私は料理が好きですが、旬の素材を優しく包むように味付けれた料理に、驚きと共に懐かしさを覚えたことを今でも思い出します。
思わぬ大雪が一晩の内に降り積もりました。幸い知人の車に同乗して訪れたため無事帰宅できましたが、山を下りるまで助手席で冷や汗をかいていました。