手づくりの桶。木桶づくりは機械加工が主流のなか、手づくりにこだわって作り続けておられます。
桶の形に組み上げられる前の木材と、長い鉋(下の写真・右側)
桶の内側と外側を削る鉋(かんな)
しかも凄いのは、木材を桶の形に保つために、桶の周囲を固定する箍(たが)に竹を用いること。
竹の箍は、生産効率が悪いため、金属製の箍に移行したということ。
竹の箍を作る過程を何度か見せて頂きましたが、桶に合わせる必要もあり、これはかなり難しい。
作り方を若い職人に何度か教えたそうですが、やはりなかなか習得できないようです。
調整しながら作った竹の箍を、木桶を締め込むように打ち込んでいきます。
「箍(たが)が緩む」という言葉を思い出せば、この工程が理解できそうです。
見ている私の体が冷え切ってしまうほど寒い加工場にて、ひとり黙黙と木桶づくりをされています。
伝統工芸といえる木桶を、裏方で支えているお姿を拝見できました。
このような出会いが出来たのは、友人の知人が案内して頂けたお陰。
人と人の繋がり、ご縁に感謝しました。